バーチャル試着の導入メリットとは?AR活用の仕組みやECサイトの改善例、アプリの有無などを解説!
バーチャル試着のメリットは、商品を手に入れる前にサイズや見た目を確認できることで、返品や交換のコストを削減できたり、カゴ落ち率を改善できることです。
本コラムでは、バーチャル試着とはどのような事例・メリットがあるのかを解説します。
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バーチャル試着(バーチャルフィッティング)とは?AR技術の活用
事例:イトーヨーカドーのランドセルを試着できるバーチャル店舗(ARツール「COCOAR」を活用)
バーチャル試着(バーチャルフィッティング)とは、AR技術を活用することでオンライン上で実際に商品を試着するような体験ができるシステムです。スマートフォンやタブレットなどのデバイスを通して利用でき、サイトによっては試着して気に入ったものをそのままオンライン上で購入することもできます。
最近では服や靴などのアパレル商品だけでなく、時計、イヤリング、メガネなどの装飾品をバーチャル試着することができます。店舗に足を運ばなくても自宅で気軽に商品を試着できるというメリットがあり、オンラインショッピングが急増したコロナ禍に一気に注目を集め、現在では多くの企業が導入しています。
またバーチャル試着には、実際に行う試着の手間を減らせるほか、ネット限定販売商品の試着や、着替えるのが苦手な子供でもスムーズに試着できるという利点があります。
ARでバーチャル試着を可能にする企業のメリット
バーチャル試着を導入することで、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。主な2つのメリットについて解説します。
ECサイトで購入した商品の返品率を最大42%削減
バーチャル試着を導入する企業にとって最も大きなメリットは、商品の返品率を最大42%削減することができるということです。
これは米Snapと調査会社Foresight Factoryによる共同調査「オンラインショッピングに関するグローバルレポート」において、日本人を含む世界12か国、20000人の買い物客の消費行動を分析した結果、明らかになった数値です。
アパレル分野における実店舗の返品率は平均8%と言われているのに対し、ECサイトにおける返品率の平均は30%前後とされており、その返品率の高さが長年課題となっていましたが、ARを活用したバーチャル試着を利用することでこの問題の解決することが期待できます。
引用元:PRTIMES-米Snapと調査会社Foresight Factoryによる共同調査「オンラインショッピングに関するグローバルレポート」
店頭試着の5倍のパフォーマンスを実現できる
もうひとつの大きなメリットは、バーチャル試着では店頭試着の5倍のパフォーマンスを実現できるという点です。
2020年頃よりバーチャル試着を導入している米国のスポーツ小売店Champs Sportsによると、バーチャル試着機能を導入したことでユーザーによる多数のシェアや高いエンゲージメント率などの効果があり、店頭の試着と比較すると飛躍的なパフォーマンスの向上が確認できたそうです。
またバーチャル試着を利用することで、実店舗で必須となる試着スペースや試着のための接客などが不要になり、人件費やスペースの削減にもつながります。バーチャル試着によってそれぞれのユーザーに合った対応を提供できるようになり、低コストでのECサイトパフォーマンスの向上を可能にします。
引用元:MoguraVR 「AR試着」機能でユーザーのシェア数増、店頭より高パフォーマンス
バーチャル試着を体験する消費者のメリット
一方で、バーチャル試着は消費者にどんなメリットをもたらすのでしょうか。主な2つのメリットについて詳しく紹介します。
実際の商品イメージを確認できる
消費者にとってバーチャル試着を利用するメリットは、実店舗に足を運ばずとも実際の商品イメージを確認できる点です。ARを活用することで、実際の商品の色味や質感、サイズ感などを自分自身の姿に合わせてチェックできるので、より自分に似合う理想的な商品を見つけられます。
コンサルティングファームのアクセンチュアが2020年3月に実施した、ARなどの没入型技術が持つデジタルコマースへの効果に関するアンケート調査(世界12か国、3087名の消費者が対象)では、没入型技術を活用することで「商品が自分の期待した通りのものである」という確信が世界全体では4%、米国に限って言えば9%も高まるということがわかりました。
この結果から、バーチャル試着を利用することで、消費者が購入前に感じる不安を取り除くことができるということがわかります。
また、同調査を実施したアクセンチュアは、オンライン販売の拡大の中で「リアルとデジタルのギャップを埋め、次世代のショッピング体験を可能にするのはARやVRなどの没入技術である」ということを明言しています。
さらに、同調査において47%の消費者は没入型技術を用いたパーソナライズやカスタマイズができる商品であれば、追加費用を支払うと回答。消費者の5人中3人が、同技術を活用したインタラクティブな体験を通して商品を試せるブランドからは、そうでない商品よりも多くの商品を購入する可能性が高いと考えていることもわかっています。
引用元:アクセンチュア レポート「Try it. Trust it. Buy it. 没入型技術が デジタルコマースの体験向上に貢献」
試着時間を削減できる
バーチャル試着では画面上で瞬時に商品を試すことができるため、試着時間を削減できるというメリットがあります。時間が削減できれば色違いやサイズ違いなど、より多くの試着を気兼ねなく楽しむことができます。
着脱の手間も省けるのでより気軽に試着できるほか、実店舗までの移動時間も不要です。自分の好きなタイミング・場所で商品を試せるので、忙しいユーザーでも時間を気にせずに商品を選べます。
またウェディングドレスや着物など、試着に時間がかかってしまうものをすぐに試せるのも大きな魅力です。バーチャル試着を導入することで着替えが苦手な子供や、疲労を感じやすい高齢者の方でも楽しく買い物ができるでしょう。
バーチャル試着の仕組み
次にバーチャル試着の仕組みについて解説します。
バーチャル試着は、まずスマートフォンやタブレットなどのデバイスのカメラで自分自身を撮影した後、商品のデータを取得することで商品の画像が自身の姿に重なり、実際に商品を試着しているような3Dデータが完成するという仕組みです。
システムによっては、AIを活用することで体にフィットするような形状になったり、その場で色や形をカスタマイズできたりもします(その分システム費用は高額になります)。
一方で画像を登録するだけで、簡易的なバーチャル試着の仕組みを構築できるツールもあります。
試着画像は正面だけでなく、背面や側面からもチェックすることができるため、より細かい色味やサイズ感なども確かめることが可能です。
バーチャル試着には様々な種類がありますが、以下では代表的な3つのタイプ「アプリタイプ」「サイネージタイプ」「アプリレスARタイプ」について紹介します。
アプリタイプ
引用元:PRTIMES-ZOZOSUITで蓄積した体型計測データを活用!次世代のバーチャル試着体験アプリが登場。
「アプリタイプ」は、スマートフォンやタブレットなどのデバイスにダウンロードしたアプリを通して全身を撮影し、画面上にバーチャル試着した様子が映し出されるタイプのバーチャル試着です。
アプリタイプにはAI技術を活用したシミュレーションが搭載されており、実際に商品を試着した姿をリアルにイメージすることができます。あらかじめ自分の全身が写った写真を撮影するため、鏡で姿を確認するよりも客観的に試着姿を確認できるのも特徴です。
また、アプリタイプは自分の部屋などの好きな場所で、時間の制約がなく試着を楽しめるというメリットもあります。
自社ECサイトと一体型にしたり、開発を含めて高性能なバーチャル試着システムを構築したい企業向けになっています。
サイネージタイプ
引用元:凸版印刷株式会社/試着シミュレーションサービス 「バーチャルフィッティング」
「サイネージタイプ」は、デジタルサイネージの前に立った自分の姿に試着イメージが表示されるタイプのバーチャル試着です。サイネージの前に立つだけで様々な商品を試せるので、誰でも気軽に試着を楽しめます。
サイネージは大型なので、多くの場合実店舗向けのバーチャル試着システムとして利用されており、混雑時でも効率的にショッピングを楽しんでもらえます。
サイネージをバーチャル試着として利用しないときには鏡としても利用できるというメリットがあり、利便性の高さもポイントです。
アプリレスARタイプ
引用元:Shopify AR
「アプリレスAR」は、ECサイト上に掲載されているQRコードをデバイスで読み取ることでARカメラが起動し、画面上に写った自身の姿に商品のデータを重ねるタイプのバーチャル試着です。アプリ不要でブラウザから気軽にARを体験できるのが特徴といえるでしょう。
アプリレスARの代表には、ネットショップの開設・運営ができる世界最大級のECサイトプラットフォーム「Shopify」のARがあります。
「Shopify」では、自社商品の登録時に3Dデータを追加するだけで簡単にARを設定できます。ブラウザ上のみで完結するので、消費者にとってもより気軽にバーチャル試着を体験してもらうことが可能です。
同社はARを活用したバーチャル試着を導入することで、消費者の満足度やショップ側の購買率の向上、返品率の減少に有効と考えているそうです。
バーチャル試着の有名事例
バーチャル試着についてわかってきたところで、実際どのように活用されているのか、具体的な導入事例について紹介します。
①zozoスーツの事例
引用元:PRTIMES-ZOZOSUITで蓄積した体型計測データを活用!次世代のバーチャル試着体験アプリが登場。
代表的なバーチャル試着の導入事例に「ZOZOスーツ」があります。
「ZOZOスーツ」とは、ボディースーツ型・アプリタイプのバーチャル試着サービスで、「ZOZOスーツ」と呼ばれる特殊なマーカーの付いた同スーツを着用して「ZOZOTOWN」アプリで採寸すると、3Dスキャンとほぼ同等の詳細な身体データを計測できるサービスです。
伸縮センサーが内蔵されているためすぐに計測し、Bluetoothを通してデータをスマートフォンへデータを送ることができます。
詳細な採寸を実現することで自身の体にフィットする商品を選択できるため、オンラインショッピングで生じやすいサイズ不一致や着用時の違和感などの課題を解消できます。ZOZOスーツは送料込み200円という低価格で利用でき、これまでにない試着体験として最も注目を集めたサービスのひとつといえるでしょう。(ZOZOスーツは2022年6月23日を持ってサービスを終了しています)
②SHOPLISTの事例
引用元:PRTIMES-クルーズ株式会社 全身写真を2枚撮影するだけで採寸できるAI技術「bodygram」を世界初導入!
ファストファッション通販サイト「SHOPLIST.com by CROOZ」(以下、SHOPLIST)は、高精度身体採寸テクノロジー「bodygram」をiOSアプリにて2019年に導入しています。
「bodygram」は、スマホで推奨基準の衣服を着用したまま採寸を可能にするAI技術で、Bodygram Inc.が独自に開発したサービスです。4つの情報(身長・体重・性別・年齢)を入力し、2枚の全身写真を撮影するだけでユーザーのボディラインを自動で検出でき、簡単に採寸することができます。
SHOPLISTは、ユーザーが商品を選ぶ際に数値を参考にすることができるよう、同サービスを利用して採寸したデータをユーザーに提供しているほか、スマホの画面上で自分と商品のサイズを比較することができるバーチャル試着体験を、サイズ違いの発生しやすい3カテゴリ(トップス・スカート・ワンピース)で提供しています。
さらに、ユーザーごとに最適なサイズをレコメンド表示する機能なども搭載。バーチャル試着体験によって、自分によりフィットする商品を探すことができるうえ、商品購入前と購入時のイメージとのギャップを減らし、より良いオンラインショッピングを実現しています。
③ユニクロの事例
引用元:マイナビニュース Techplus
ユニクロは2012年に米サンフランシスコ店で、2013年には銀座店にてAR技術を活用した「UNIQLO MAGIC MIRROR」を店内に設置し、運用を開始しました。
「UNIQLO MAGIC MIRROR」はAR技術とデジタルサイネージを活用したバーチャル試着システムで、60インチの縦型ディスプレーとタブレット端末、カメラで構成されています。
本システムは試着用商品を着て鏡の前に立ち、手元のタブレットを操作するだけで試着した商品の色が変化するというもので、ユーザーは商品を脱ぎ着しなくてもバーチャル上で自分に似合うカラーを見つけることができます。
ユニクロが本システムで採用したのは識別用のマーカーをカメラで読み取る従来の方法ではなく、色の違いから衣類の種類を認識する方法で、試着アイテムの追加が比較的気軽にできる点が特徴です。豊富なカラーバリエーションを手軽に試せるので、顧客満足度向上や商品購入促進が期待できます。
④JINSの事例
引用元:JINS リアルタイム3D試着 操作方法
JINSはECサイトにていつでも気軽にメガネを試着できるサービス「JINS VIRTUAL FIT(バーチャルフィット)」を提供しています。本サービスはカメラが起動したら自動でフィッティングをおこない、AIが商品のお似合い度を案内してくれるのが特徴です。4ステップで簡単に利用できます。
使い方はJINSオンラインショップ上部にある虫眼鏡アイコンをタップし、商品一覧から試着したい商品を選択。画面上にVIRTUAL FITが起動し、すぐに自分の顔が映し出されるので、フレームカラーやオプションレンズ、メガネのかけ位置やPD値のチューニングを変更するなど、自分の顔に合わせて細かいニュアンスを調整しながらバーチャル体験を楽しめます。
気になる商品をお気に入りに登録してから試着ボタンをタップすると、複数のメガネを試着することも可能です。フレーム画像をスクロールすることであらかじめ選んでおいた他のフレームに切り替えられます。
さらに、JINSオリジナルAI人口知能が試着したメガネの似合い度を判定してくれるお似合い度測定機能も搭載。本サービスを利用して来店する前にメガネを試着することも、店舗で購入するか悩んだ商品を自宅で後からゆっくり試着することもできます。
低コストでバーチャル試着を始める方法
実際にバーチャル試着を導入しようとしても、「開発が必要なのでは」「自社で運用リソースをまかなえるのか」「初期構築だけでもコスト面がかなり気になる」といった方もいるのではないでしょうか。
そこで、「低コスト」で「開発不要」バーチャル試着を始められるARサービス「LESSAR」について紹介します。
LESSARとは?
「LESSAR」とはアプリ不要でARを体験可能な「アプリレスAR」タイプのクラウドサービスです。無料から始められる本サービスはこれまで業界を問わず7,800社もの導入実績があり、現在も多くの企業様のプロモーションで活用されています。
LESSARではバーチャル試着などのARを作成するだけでなく、試着体験のログデータによる測定もできるため、コンテンツを継続的に改善することが可能です。
特にバーチャル試着分野では、手の特定の部分に画像を表示し、腕時計・ネイル・指輪などのバーチャル試着を実現する「手認識AR」や、身体の特定の部分に画像を表示し、服のバーチャル試着を実現する「身体認識AR」があります。
LESSARできること
LESSARで作成できるウェブARは「手認識AR」や「身体認識AR」をはじめ、「マーカー型AR」「水平面認識AR」「パノラマAR」「顔認識AR・ペイントAR」など様々な種類があり、活用シーンによって使い分けることができます。
特に「手認識AR」では、腕時計や指輪、ネイルなどのバーチャル試着を提供することで、自宅でもお店のような購買体験を実現可能です。「身体認識AR」では、掲載商品が3秒で簡単に着れるバーチャル試着体験などを提供できます。
また、AR作成を簡単にする機能や、より企画に合ったARを作成できる機能、作成したARが「どのようなユーザーに、どこで、どのくらい体験されたのか」などを把握できるログ分析機能などが搭載されており、継続的にプロモーションの質を高めることができるのもLESSARの特長です。
アプリレス型AR「LESSAR(レッサー)」を使った
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LESSARは必要な分だけあとから課金でき、ずっと無料でも使えるため「費用対効果を気にされる方」や、コンテンツを登録するだけのシンプル設計なので「現場が使いこなせるかどうかを重視される方」などにおすすめです。
ARを驚くほど簡単に作成・管理できる機能が揃っているうえ、豊富な事例でサポートが充実しているのでAR導入が初めての企業様にとっても最適のツールといえるでしょう。
さらにECサイトからでもお店のような購買体験を提供したい企業様や、拡散力のあるSNSで盛り上がるキャンペーンを実施したい企業様の課題も、LESSARで解決することが可能です。
【バーチャル試着とは】まとめ
本記事ではバーチャル試着の導入について詳しく解説しました。
身体に完璧にフィットするようなバーチャル試着を実施するためには、専用のアプリを活用して、AIでの身体計測や独自のシステム開発を行う方が良いでしょう。バーチャル試着後は同アプリ内でそのまま商品の購入・決済ができるようにすることも必須です。
一方で自社ECサイト(eコマース)を持っていて、気軽にARでバーチャル試着・バーチャルフィッティングを提供したい場合には、アプリレスARタイプのバーチャル試着を導入することをおすすめします。
アプリレスARの場合、URLからARを起動してバーチャル試着を行い、1クリックでECサイトの購入ページへ遷移できるという手軽さが特長で、ユーザーに気に入った商品をすぐに購入してもらうことができます。
今後、商品販売において一般的なサービスになることが予想されているARバーチャル試着。貴社でも、ミニマムでのスタートを検討されてみませんか?
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