「アート×謎解き」企画がWebAR×チャットボットでさらに面白く!物語を進めながら展示場内を探索、気軽にアートに触れる機会を創出
アーティスト集団C-DEPOTが開催する「アート×謎解き」イベントにWebARツール「LESSAR」が活用された事例をご紹介。
C-DEPOT結成者のひとりであり、株式会社カナマル式を経営している金丸様にお話を伺いました。
内容まとめ
✓ただアートを展示するだけでなく、アートに触れるハードルを下げる手段としてWebARツール「LESSAR」を採用。
✓アートを鑑賞しつつARを使って推理し、謎を解き明かす体験型イベント。探索要素が強化され、様々なアートに触れる機会が生まれた。
✓2年目はチャットボット「IZANAI」を導入。物語を進めて謎を解き、ARスタンプを集める設計。離脱率を下げ、謎解き達成率は7%ほど改善!
✓アート×ARは相性が良いことを実感。様々な「アート×OO」を試行錯誤してより良いAR企画を実現したい。
WebARプロモーションツール『LESSAR』概要資料で、機能・事例・料金までご紹介。
『LESSAR』はWebAR活用を始めたい大企業~ローカル企業・自治体など、7,500社以上と多くの企業に選ばれています。
目次
会社紹介
「C-DEPOT」は絵画、立体、映像、写真、メディアアートなどの様々なジャンルを専門分野とするアーティストによって構成されたアーティスト集団です。アーティストのマネジメントや展示会の企画運営などを行っています。株式会社カナマル式を設立した金丸 悠児氏が結成した団体で、株式会社カナマル式のプロジェクトの一貫として運営されています。
導入の背景:アートに触れるハードルを下げ、機会を増やしたかった
Q:ARに興味を持ったきっかけを教えてください。
金丸様:「アート×謎解き」をテーマにした大きなイベントを、1年に1度、「池袋モンパルナス回遊美術館」で開催しています。
アートの普及やアーティストの発表機会をつくる上で、ただ展示スペースに作品を飾るだけでは可能性を広げていけないと常々感じていました。そこでハードルを下げて、多くの人にアートを楽しんでもらえる”まち歩き企画”として「アート×○○」というイベントを企画するようになりました。
過去には「アート×こけし」や「アート×人気アニメ」など、色々な組み合わせを試してきました。その中で「アート×謎解き」は非常に反響が大きく、ここ数年、継続して開催している企画です。
ありそうでなかった斬新な企画だったことと、謎解きがブームになりつつあったことも重なり、謎解きファンがSNSで拡散してくれて、認知拡大につながりました。謎解きに惹かれて体験した人がアートに興味を持つ、という光景も見られたので、出品側としては非常に手ごたえを感じています。
ARは、そういったイベントを続ける中で、運営メンバーから「取り入れてみてはどうですか?」と話が出たことで導入を検討しました。
私自身、ARはPokémon GOでしか触った経験がなくて、当時は導入に抵抗がありました。まさか自分自身がARを使ったイベントを提供する側になるとは思っておらず、専門知識がない分野なので、リアリティのある企画に感じられなかったのです。
しかし調べてみると、私たちでも利用できるということがわかり、取り入れてみようと思いました。
ARを導入してからは、探索要素を増やせるようになったため、謎解きに特化せず「会場を巡ってアートを楽しみながら謎を解く」といったバランスで企画できるようになりました。
導入の決め手:料金・操作感・機能が“ちょうどよかった”です
Q:他社と比較されたそうですが、クラウドサーカスのWebAR「LESSAR」のどこが良かったと感じましたか?LESSAR導入の決め手を教えてください。
金丸様:ARはLESSARを含めて3社ほど検討しました。それぞれ無料版を使ってみたところ、LESSARは他サービスに比べて操作がしやすいと感じました。また他のARは私のPC環境では上手く動作しない部分があったので、問題なく動かせて、かつ操作感が良いLESSARの導入を決めました。
Q:その他にLESSARで良かった点、気に入った機能などはありましたか?
金丸様:LESSARは料金設定がちょうどよいと感じました。難しいことはせず、まずはシンプルに「展示上にキャラクターが登場する」ということを実現したかったので、機能的にもLESSARはちょうどよかったです。
専門知識がなくても、ブログを更新できる程度のノウハウがあれば操作設定ができます。ARを設定したらすぐその場で検証できるのも良かったです。また、導入当初は単純にスマホをアートにかざすとARコンテンツが表示されるといったものをイメージしていましたが、スタンプラリー機能があることを知り、2023年は「展示会場を探索してスタンプを集める」というAR×探索の企画も開催しました。
LESSARは様々な使い方ができるWebARツールだと感じています。
ARを活用した企画:「アート×謎解き」イベントをARで”体験・探求型”に!
イベント①名画に隠された謎
Q:LESSARを活用された施策内容について教えてください。
金丸様:豊島区の自治体や企業が主催する「池袋モンパルナス回遊美術館」という地域振興イベントの特別企画として、当社(アーティスト集団C-DEPOT)が企画・運営するアートイベント「RANPO WANTED」にARを取り入れました。「江戸川乱歩」を題材に、アート鑑賞と探索を掛け合わせた体験型イベントを開催しています。
2022年は「古き良き新しさを探そう」をテーマに、アーティストが西洋と日本の名画をオマージュした作品を発表。「名画のオマージュ作品にキャラクターが閉じ込められてしまった」というストーリー展開で、展示してあるアート作品を鑑賞しながら情報を集め、ARを使って推理し「名画に隠された謎」を解き明かす、というイベントを開催しました。
ARを体験した方は約1000人、全ての謎を解いた方はそのうち約150人でした。
引用:RANPO WANTED -名画に隠された謎- – C-DEPOT
金丸様:謎を解いて行き、アート作品にスマートフォンのカメラをかざすと、ARキャラクターが登場。「助けてくれてありがとう!」と話します。
また、2023年はパンフレットを配布してから日数があまり経っていないものの、昨年の同時期・同期間と比較して、2倍の人数に体験いただいています。さらに、1人当たりの体験回数が2回と、昨年の体験の結果を越えました。
Q:来場者から、ポジティブな意見はありましたか?
菱川様:「ARとの組み合わせが新鮮で面白かった」というポジティブな声が多かったです。毎年イベントを開催しているため、継続して楽しみにしてくださる人が多くいます。そういった人たちからすると、珍しく感じられたのでしょう。謎を一点一点解いていくのではなくて、ひとつの物語があり、その中でARを使って謎を解いていくという仕組みも好評でした。
「いつもぼんやり見ていた絵画を、情報を調べながらじっくり鑑賞するという体験ができた」「子どもたちと楽しく鑑賞できた」「また開催してほしい」という声もいただいています。
私たちとしても、まさかARを使った企画をするとは考えていなかったので、新しいチャレンジができた充実感がありました。アートとARの相性の良さも感じています。今後はイベントを発展させて、新しいアートの魅せ方やいろいろなことに挑戦できそうだと思いました。
Q:逆に、ネガティブな点はいかがでしょうか?
ネガティブな点は、ガイドブック上で「塗り絵をしてQRコードを完成させる」という試みをしたところ、スマートフォンの機種により読み込みに時間がかかったということがありました。また、会場にあるQRコードの中にダミーを紛れ込ませて、本物を見つけ出そう!という企画もあったのですが、スムーズに読み込めない端末があったため行列ができてしまいました。
「やりがいがあった」「面白かった!」という意見も多くいただきましたが、端末ごとに動作が安定しなかった人も多かったようです。「楽しかったけど、うまくいかないこともありました」という声はありましたね。
このような問題をLESSARの担当者に相談した所「渋滞の解消にチャットボットを使ってみてはどうですか」という提案をいただきまして、次年度はチャットボットのIZANAIを導入しました。
イベント②消えたジュエルインセクトを探せ
金丸様:2023年は、アーティストたちが「ジュエルインセクト(宝石昆虫)」を題材に、架空の昆虫たちを作成。パンフレットに記載されている謎を解き明かし、会場に点在するアート作品を探し出します。アート作品にスマートフォンをかざすと「ジュエルインセクト」を採取、推理によってゲームクリアを目指すイベントです。
RANPO WANTED -消えたジュエルインセクトを探せ-
▲スタート地点「探偵エド」と一緒に謎を解いていく物語がスタートしていく。
Q:本イベントの企画にあたって、意識したことは何ですか?
金丸様:家族連れの来場者が多いので、大人も子どもも楽しめるイベントを意識しました。具体的には、スタンプラリー機能を使って展示会場を探索し、昆虫採取をするという遊び要素を加えています。昆虫を「ジュエルインセクト(宝石昆虫)」とすることで虫が苦手な人や大人、特に女性も楽しめるようなイベントを意識しました。
Q:去年と比べ改善した箇所はありますか?
金丸様:去年は渋滞が起きてしまったので、スタート地点を1か所にしつつ、順路をしっかりと決めるなど、人が密集しないように配慮しました。チャットボットの「IZANAI」を利用して、冊子にもスタート用のQRコードを掲載し、物語をナビゲートしています。
2会場で実施したのですが、公園に面した東京芸術劇場側からは家族連れが、商業施設の方は大人やカップルが多く参加している印象がありました。幅広くいろいろな人に楽しんでいただけたと思います。
Q:ARの企画はC-DEPOTの皆様で考えていらっしゃるのでしょうか?
金丸様:そうです、デザインもシナリオもイラストレーションも全て、 C-DEPOTの運営メンバーで考えています。そのためIZANAIのシナリオ設計も私たちが考えました。
チャットボット×ARイベント詳細
主人公の「探偵エド」との会話がチャットボット「IZANAI」上でスタート。会話しながら自然な流れでARの起動に移る。謎を解いてアート(マーカー)を読み込むとスタンプをゲット。
IZANAIで会話をしながら謎を解き、残りのスタンプを収集して物語を進めていく。
様々なジュエルインセクトを発見!
金丸様:12日間の開催で、約600名が参加、実際に謎を解いて最後までたどり着けた人は130名ほどでした。ユーザーからの声でも「難易度は低めだった」「結構難しくておもしろかった」と様々な声をいただきました。
2会場をどちらも訪れる必要があり、「1日では終わらなかった」という声もいただきました。
前回と比較して、謎解き達成率は15%→22%で上昇しています。全ての方が達成できるほど簡単でもよくないですが、より最後まで楽しめる設計にしたいですね。
▼2023年度の体験データ。時間帯は15時前後が山になっており、性別×年代では25歳~44歳の男女に多く体験されている。
ARだからできたこと:アートとの相性が良く、新鮮な驚きと感動がありました
Q:今までやってきたことと違った、 ARだからできたこと・わかったこと等を教えてください。
金丸様:ARは美術・アートとの相性が良いと感じました。今回私たちは、アートイベント内の謎解きやアイテム収集など探索要素としてARを活用しましたが、純粋な作品鑑賞を目的とする展覧会においても、作者の情報や作品のバックグラウンドを来場客に伝える手段としてARは有効だと思います。
やはりアートを展示するだけでは一般層には広がっていかないので、ハードルを下げたり、自分から体験できるような仕掛けをする必要があるかなと思います。
また、そもそも数年前はスマートフォンを持っていない人が多かったので、デジタルな企画は開催できませんでした。しかし今はほとんどの方が持っているため、ARのようなスマートフォン利用を前提にした企画が考えられます。
アーティストは作品作りに没頭しているので、新しい技術に詳しくない人が多く、今回スマホで体験できるARやチャットボットを導入したことで「こんなことができるんだ」と新鮮な驚き、感動がありました。LESSARやIZANAIなどのサービスに触れることで、情報や時代の流れについていけるのもありがたいなと感じています。
サポート内容と今後の展望:試行錯誤してより良い企画を実現していきたい
Q:サポートの感想や、今後やりたいこと、クラウドサーカスに期待していること、フィードバックなどありますか?
金丸様:定期的にZoomを使った1on1があり、親身にフォローしてくれるのがありがたいと感じています。取扱説明書をもらって、あとは自分たちでコツコツ組み立てていくサービスだと思っていましたが、思ったよりもサポートが手厚いのには驚きました。
アドバイスや提案をいただけるのは助かります。何か困ったことがあっても「次の打ち合わせで聞いてみよう」と気軽に考えられますし、メールでは伝えきれないこともあるので、相談できる機会があるのは非常にありがたいです。
今後は予算次第ですが、アプリを使ったAR「COCOAR」を取り入れてもっと良いAR表現を考えたり、IZANAIで同時に2つのストーリーを走らせたりしてみたいです。いろいろなことができるツールなので、試行錯誤してより良い企画を実現していきたいと思っています。LESSARやIZANAIなどを利用して、アート×謎解きだけでなく、違うアプローチにもチャレンジしたいです。
ーーーーーありがとうございました!
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