親子それぞれのニーズを捉えた「ようかい」を集めるARスタンプラリーが、1万人が参加する大人気イベントに!
2023年7月22日(土)~8月27日(日)までの間、兵庫県西宮市で開催されたARスタンプラリーイベント「みやたんとようかいむらのスタンプラリー2023」にWebARツール「LESSAR」が活用された事例をご紹介します。LESSARの導入経緯やARスタンプラリーの効果などについて、一般社団法人にしのみや観光協会の大野様にお話を伺いました。
内容まとめ
✓コロナ禍により非接触で周回施策ができるARスタンプラリーを企画。ARスポットが50ヶ所以上あったため、ARコンテンツを大量に登録できるLESSARを導入。
✓”ようかいを集めたい”子どもと、”夏休みに無料でどこかに連れていきたい”親の双方のニーズとARスタンプラリー企画が見事マッチし、参加者1万人以上を記録!
✓パンフレットを学校で配布し告知。ARスタンプラリー企画を通して、小学生に対し70種類以上いる妖怪キャラクターを一気に周知できた。
✓さらなる参加者獲得に向け、今後は隣町も含め、より拡大してARスタンプラリーを実施し規模を拡大していきたい。
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目次
協会紹介
一般社団法人にしのみや観光協会(以下、にしのみや観光協会)は、兵庫県西宮市の観光振興を目的に設立された団体です。各種パンフレット・チラシの発行および配布、イベントの企画・実施など西宮の観光に関する諸事業を展開しています。
にしのみや観光協会
協会連絡先(大野様):machitabi.ono@gmail.com
導入の背景:ARコンテンツを大量に登録できる点とARならではの見せ方が決め手に
Q:大野様の業務内容を教えてください。
大野様:観光事業部の責任者として、西宮市で開催するイベントの企画立案から開催、運営まですべて担当しています。本業はデザイナーなので、チラシやパンフレットなどイベントに付随する紙媒体の制作も手掛けています。今回のARスタンプラリーも制作物をはじめ、ARの作成からコンテンツの登録まで行いました。
Q:具体的にどのようなイベントを企画しているのでしょうか。
大野様:メインは春から秋口にかけて行われる、観光客を対象にした観光プログラムです。よくある着地型観光で、西宮市にまで来てもらってそこで楽しんでいただき、帰ってもらうというものです。
もうひとつは親子向けイベントです。西宮市は子育て世代の流入数が多いので、子育て層に向けたPR活動を行うべく、観光プログラムと並行して実施しています。
親子イベントに関しては、以前は季節ごとにさまざまなイベントを開いていましたが、夏休みが一番人が集まるので、現在は夏季限定で行っています。今回のLESSARを使ったARスタンプラリーは2022年から開催しており、主に小学生の子どもがいる親子連れから好評を博しています。
Q:ありがとうございます。従来の紙のスタンプラリーではなく、ARスタンプラリーを採用しようと思った理由をお聞かせください。
大野様:新型コロナウイルス感染症の影響ですね。企画当初は紙のスタンプラリーで開催する予定でした。しかし2020年にコロナが流行り、紙のスタンプラリーではスタンプスポットに人が密集したり、不特定多数の人がスタンプに触ったりなどの感染リスクがあったため、非接触で周遊施策ができるARスタンプラリーに切り替えました。
Q:ARスタンプラリーの実施にあたり他社と比較検討されたと思いますが、LESSARを導入しようと思った決め手をお教えください。
大野様:1度に多くのコンテンツを登録できるところです。ARで最低でも50匹以上の妖怪を出現させたかったのですが、他社だと1度に20個くらいしかコンテンツを登録できず、50個以上登録するには別途費用がかかると言われました。
LESSARでは1度に多くのコンテンツを登録できるのと、AR機能によって普段目には見えない妖怪がARを通して見えるという仕掛けが簡単にできるので、マッチしているなと思い、導入を決めました。また、価格が予算の範囲内だったのも決め手のひとつです。
企画内容:「みやたんとようかいむらのスタンプラリー2023」
【実施した企画の概要】
ARスタンプラリー「みやたんとようかいむらのスタンプラリー2023」は、兵庫県西宮市・尼崎市・宝塚市 ・伊丹市・芦屋市内に設置された約70ヶ所のARスポットをめぐり、獲得したスタンプ数に応じて抽選で特製グッズや絵本が当たる企画です。
スタンプを獲得した人には、西宮市のキャラクター「みやたん」の作者である絵本作家のたかいよしかず氏が描き下ろした「ようかい」のカードが配布されました。
<企画概要パンフレット>
【LESSAR(ARスタンプラリー)の活用方法】
1.対象のARスポット(QRコードとマーカーを印刷したポスター)でLESSARを起動し、QRコードをスキャンします。
2.QRコードをスマホカメラで読み取り、ARカメラでマーカーのスキャンが完了すると、スマートフォンの画面に妖怪ARが出現します。
3.ARフォトフレームを使用し、妖怪と一緒に写真撮影を楽しめます。またARスタンプをゲットでき、一定数貯めると景品と交換ができます。
スタンプの獲得はQRコードを読み込むだけでできるため、台紙不要で手軽に参加できるのが特長です。またスタンプを集めるだけでなく、ランダムで約70種類の多種多彩な妖怪が出現するので、妖怪との出会いを楽しみながらスタンプラリーに取り組めます。
<AR体験の流れ(体験サンプル)>
AR施策の成果①:1万人以上が参加!親子連れのニーズを捉えた企画が大反響
Q:施策の効果についてお聞かせください。
大野様:前年度に引き続き、約1万人以上の参加がありました。アクセス数も前回の66,000回から75,772回と大幅に増え、新規ユーザーも549人増加しています。ユーザー属性は35歳〜44歳の男女が一番多いですね。おそらく小学生を含む家族全員でARスタンプラリーを楽しんでいるんだと思います。
Q:参加者1万人は凄いですね。これほど家族連れで参加しているイベントはあまりないと思います。
大野様:あくまで私個人の考えですが、スタンプラリーの成功はいかに参加者のニーズを提供できるかどうかだと思います。
ニーズとは何かというと、たとえば抽選で当たる豪華賞品が目当ての参加だったり、ARスポットに設定されているお店に行ってみたいという興味だったりなどいろいろあると思うんですけど、子どもたちにとってこのARスタンプラリーのニーズは、ようかいカードなんですよ。ようかいカードはARスポット1ヶ所につき、参加した親と子どもそれぞれに1枚ずつもらえます。子どもたちにとってこのカードは非常に魅力的で、みんなこぞって集めています。
一方で親は夏休み期間中、暇を持て余す子どもたちのためにどこかへ連れて行かなければいけない。でも頻繁に出かけるのは金銭的にも時間的にも難しいですよね。ARスタンプラリーは多少の交通費はかかりますけど、参加費は無料ですし、さまざまな場所へ子どもを連れていけます。なのでARスタンプラリーは親たちの「子どもをどこかへ連れていきたい」というニーズに合致した、絶好のお出かけスポットなんです。だから賞品目当ての参加はほとんどないですね。
子どもたちはカードが欲しい、親は子どもをどこへ連れていきたいという親子それぞれのニーズとARスタンプラリーがうまくマッチしたからこそ、1万人以上の参加が得られたんだと思います。
<体験人数と属性のデータ>
<昨年の企画におけるデータ>
Q:ターゲット層のニーズを的確に捉えた上で、ARを活用した効果的な施策を実行されていて非常に素晴らしいです。イベント実施にあたり、プロモーションやイベント期間中に工夫したことがあればお教えください。
大野様:プロモーションに関しては、イベントの告知を小学生のみに限定している点ですね。西宮市内にいる小学生の総数は約3万人なんですけど、その中でARスタンプラリーに参加する層はだいたい小学1年生から3、4年生くらいまでなので、その層に向けてイベント冊子を毎年夏休み前に各学校に配布しています。そうすることで、子どもたち全員に周知できています。
イベント期間中については、公式のTwitterやインスタには「◯◯の妖怪はAのスポットにいます」などのネタバレになる投稿はしないようにしています。参加者の方によるAR写真の投稿で、「◯◯はここにいるんだ!」と気づいてもらったりするのはいいんですけど、公式側からは積極的に行っていないですね。
こちらが妖怪の居場所を教えてしまうと皆さんそこばかりに行ってしまって、ARスポットを満遍なく回らなくなってしまうんです。なので出現する妖怪も毎回シャッフルし、同じスポットには出ないように設定しています。妖怪の種類も多いので、ARスタンプラリーにあえて出していないものも結構あります。
Q:妖怪の居場所を意図的に伏せたり、出現する場所をシャッフルしたりすることで周回率を高めているんですね。
大野様:そうですね。あとはきちんとコンプリートする人が増えてきているのもあります。ARスポットは60ヶ所くらい設定しているんですけど、皆さんコンプリートする勢いで回られるので、マンネリ防止も兼ねています。実際参加者から「あと少しでコンプリートなので、◯◯の妖怪がいる場所を教えてほしい」と妖怪の名前をピンポイントで尋ねてくる方もいて、反響の高さを実感しています。
AR施策の成果②:キャラクターの認知拡大と子どもの自由なAR写真撮影による楽しみ
Q:従来のイベント企画と比べて、ARイベントだからできたことをお聞かせください。
大野様:2つありまして、1つは子どもたちに妖怪の存在を知ってもらえたことです。みやたんは10年以上かけて認知活動を行ってきたこともあり、子どもたちはほぼほぼ知っていますが、妖怪はほとんど知名度がなかったので、ARスタンプラリーの実施を通して名前やイラストを周知できて良かったです。
妖怪の元ネタはたかいよしかずさんの絵本「ようかいむら」シリーズなんですけど、ARスタンプラリーをきっかけに絵本を読んだ子もいたそうです。今年の8月に妖怪のイラストと立体作品を展示したイベントを開催しましたが、大盛況でした。このような成果を得られたのはARスタンプラリーのおかげです。
もう1つはARを活用した写真の撮り方です。ARの特徴のひとつに、スマホの画面内でサイズを調整できたり、画面内の好きな場所に動かして撮影できたりする機能がありますよね。その機能を上手に活かして妖怪ARが天井に張り付いているように見せたり、地面に立っているように撮ったりしているAR写真を見て、「こういう写真の撮り方があるんだな」と感心しました。
ただ単に子どもと一緒に撮るだけではなく、まるでその空間に実際に現れたかのように撮るというのは、ARでしか体験できない撮影方法だと思います。X(旧:Twitter)にアップされている写真の何枚かはこの撮影方法でした。ARを用いた面白い遊び方なので、次回開催するときはこの撮影方法もあわせて紹介したいです。
今後の展開:ARスタンプラリーを周辺地域にも広めていきたい
Q:今後の展望をお教えください。
大野様:今回AR写真の撮影回数が15,000回くらいだったので、その数字を来年はもう少し上げたいなと思っているのと、他市で同じような内容のARスタンプラリーができれば良いなとも考えています。コアなターゲット層は西宮市で獲得できているので、周辺地域でもさらにARスポットを設置し、隣町に住む小学生にも体験してもらいたいです。
Q:隣町の小学生にもイベント冊子でPRできたら参加者がより一層増えますね。
大野様:そうですね。いきなり隣町全員の小学生に冊子を配るのは難しいと思うんですけど、1冊でも配布できたらコアの数字が上がると思います。そうやって参加者を増やしていき、色々な組織、会社とコラボして、もっと多くの人に参加してもらえるような仕掛けができたらなと思います。今後もARスタンプラリーを活用し、西宮市を軸にした地域活性化を図っていきたいです。
──ありがとうございました!
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