ユーザー体験とOMOの未来~ARベンダー2社が見据える、これからの顧客体験の在り方とは?~

本記事では、パーフェクト株式会社の代表取締役を務める磯崎順信氏をお招きして、クラウドサーカス株式会社のデジタルプロモーション事業部シニアマネージャーの大野達郎と、「ユーザー体験とOMOの未来」についてトークセッションした様子をレポートします。
(このトークセッションは2023年4月26日に実施したものです)

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スピーカー紹介




磯崎  順信

パーフェクト株式会社 代表取締役社長

デジタルメディアテクノロジー関連の外資系ベンチャー企業の日本代表等を経て、2015年にPerfectCorp.の日本法人の立ち上げより現職で参画。全世界累計で約10億以上のDLを誇るバーチャルメイクアプリ「YouCam メイク」をはじめ、AI/ARによる新しい消費者エンゲージメントプラットフォームを多くのブランド・小売店・メディアに向け提供し、エコシステムを確立。




大野  達郎 

クラウドサーカス株式会社 デジタルプロモーション事業部 コンサルティンググループ シニアマネージャー

2010年スターティアラボに営業として入社。2015年マネージャーに就任し、 その後コンサルティンググループへ。現在、当社サービスを導入頂いているコンシューマー事業のお客様への企画立案~運用を中心にコンサルティング業務を統括。得意領域はBuzz/FanMarketing領域。コンシューマー向けのプロモーション施策を得意としており、お客様と一緒にAR企画~運用~フォローまで行う。



コロナが続く中で、購買行動はどう変わった?

クラウドサーカス 大野(以下大野):
本日は、ARを軸に顧客体験のあり方がどう変わったのかについて、事例をもとにお話ししたいと思っています。どうぞよろしくお願いします!
まずは「コロナによって、購買行動はどう変わったのか」についてです。

デジタルは活用するが、購入は実店舗


パーフェクト 磯崎様(以下磯崎):
コロナで「ECが上がった」という印象をみなさんお持ちかと思います。ですが、政府が公表した「化粧品、医療品のEC化率」を見てみると、ほぼ変わっていないことがわかります。もともと6%だったものが、7%程度になったくらい。化粧品業界だけを見るとほぼ動いていません。
大手の化粧品会社では、多いところで20%前後まで伸びたブランドもあります。ただグローバルで見ると、やはり牽引しているのはアメリカと中国。30〜50%以上伸びたところも非常に多いです。化粧品の大手企業では、総評として「30%を達成しました」とおっしゃっていますが、まだ国内では「8割以上の消費者は、お店で化粧品を買っている」といえます。
そのため、「日本のECはデジタルが遅れているのか」という悲観的な見解になりがちなんですが、実態はまったくの逆なんです。


さまざまなブランドのバーチャルトライオン(AR試着)を1週間単位で測定した「グローバル ARトライ数」を見てみると(上記参照)、そのトップ3を日本のブランドや日本のWebサイトが占めているんです。トップのドラコス(ドラッグストアコスメ)は、日本を中心にアジア圏内でトップレベルのブランド。2位のデパコス(デパートコスメ)は、海外ブランドの日本のサイトです。このブランドの中では、日本のサイトが一番エンゲージメントを取っています。

日本の消費者は、このようなバーチャルトライオンや口コミサイトといったデジタルを非常によく活用しています。デジタルは使うんですが、最終的にはお店で購入したいという独特の矛盾があるんです。
その理由として考えた我々の持論は以下のとおりです。

・商品選びを妥協したくないと思っていること。
・エキナカや駅近など近くで化粧品にアクセスできること。

日本の消費者は質を重視しているので、ほかの国より商品を見ないで購入することにリスクを感じているのではないかと考えています。また、エキナカや駅近など日頃の行動線を大きく逸脱しなくても化粧品が購入できるので、「会社帰りに買おう」となりやすい。そのためOMOがやりやすい市場であるともいえます。

大野:
おもしろいですね。弊社では、化粧品に限らずいろいろな企業のお手伝いをさせていただいていますけれど、「置物AR」でソファを実際に置いてみたり、空気清浄機やお花の試し置きしたり、そういった活用でここ数年アクセス数がすごく伸びています。
ただ、そこからカートに飛んでいる率や購入率を見ると、最終的にお店で購入しています。化粧品と同じ見解ですね。

磯崎:
海外と比べるとおもしろいです。日本ではECでの購入やCV(コンバージョン)が少ないだけで、デジタルの効果は出ていますよね。

大野:
EC化率は変わっていないものの、オンラインに対して利用者が増えているのは、コロナの影響があると思います。いままで当たり前に外出や旅行ができていたのに、お出かけ時間が減ったり、行ける回数が少なくなったりして、「1回の体験をよりリッチなものにしたい」と思うようになったと感じます。そこから「失敗したくない」「より調べたい」という心理が、すごく強くなったのではないでしょうか。事前準備を行う意識が、コロナ禍を経てより強くなったと思います。

磯崎:
そうですね。ドラッグストアさんのお話しでは、「お店に来てから商品を選ぶ」という行動が少なくなったといいます。目的買いが増えたので、店内の滞留時間が短くなっているそうです。

大野:
コロナの影響でいろいろな当たり前が変わりましたよね。では、その中でテクノロジーを使った販促がどう進んでいるのか、次の章で詳しくお話ししていきましょう。

2. AR×テクノロジーでの販促強化はどこまで進んでいるのか?

デジタルツールに対する市場での意識の沿革


磯崎:

最初に、デジタルツールに対する市場での意識についてお話しします。我々が経験したサイクルですけれど、いろいろなツールに当てはまると思います。

我々が参入したとき、最初に苦戦したのが「サービスの利用価値の立証」でした。「デジタルツールは、実際にビジネスに使えるのか」というところです。
バーチャルメイクの領域では、我々が市場に入る前に大手IT企業や化粧品会社が、非常に大きなコストをかけて研究・開発していました。当時は、AIがなかったので嘘っぽいものしかできず、「使えない」という結論が出されてしまったんです。我々はその頃に参入したので、イメージを変えるところにとても苦労しました。

ようやく「使える技術である」と認識された後に来たのが、自社で開発するのか、外部プラットフォームを使う方がいいのか(トータル・コスト・オブ・オーナーシップ)です。SaaSの方がコストはかからないのですが、そこをなかなかご理解いただけませんでした。

その次は、我々が「人と組織のDX」と呼んでいる部分。我々のサービスは、さまざまな部署が連携して使っていただくのですが、化粧品会社ではブランド事業部、販売、店舗など部署や予算が細かくわかれています。そのため、どこが中心になるのか、予算をもつのかという話になると、一気にすべてが止まってしまうんです。
反対に、ひとつの部署だけの取り組みでは、一生懸命進めていただいてもインパクトが少ないコンテンツになってしまいます。

最近では、その部分が問題視されてDX事業部といった横のつながりが作られ、包括的な取り組みが進められるようになりました。これが2018〜2019年くらいのことです。そのあたりからデジタル技術の使用が加速し、2020年には新型コロナの拡大でDX化の波が押し寄せました。そのときには問い合わせ件数が10倍くらいになりましたね。

いろいろなブランドさんが知見を蓄えていく中で、差が出てきたなと思うのは「使い方」の部分です。ツールを使いこなせているのか、実装しているだけなのかというところ。ツールはやはり道具なので、使っていただかないと成果が出ません。使い倒せているのかどうかで、若干違いが出てきたなというのが、2021〜2022年くらいです。
いまは、さまざまな成功事例が横展開をして、デジタル技術が普及しつつあるところだと思います。

大野:
「ここまで意見が合うのか!」と思ったのがこの沿革でしたよね。弊社もほとんど同じサイクルで「わかる!」というお話しばかりでした。

磯崎:
我々1社だけでなく、ベンダー企業全体で同じことが起きていたんだ、と確認できたのは嬉しいですね。

導入事例

磯崎:
ここからは導入事例を一部ご紹介します。KATE様とコフレドール様の事例を見ていただくと、マーケターの方は数値を見て驚かれるかもしれません。ページ滞在時間が4倍、平均PVは11倍になっています。しっかりとツールを使っていただいているブランドさんは、エンゲージメントの出方がすごいです。

海外でも以下のような導入事例が挙げられます。

・平均コンバージョンは2.5倍
17,000人もの美容部員がYouCamを使ったトレーニングを受ける
・AI技術を搭載したサービスでカスタマーロイヤリティーアップ
・サイト利用により購入率113%アップ
・ページ滞在時101%アップ
・カート追加率20%アップ

平均CVが2.5倍、購入率も113%アップ、カート追加率20%向上など高い成果が出ています。我々のサービスでのエンゲージメントは「試着」を指しますので、それが増えれば増えるほど、売上にも反映されていきますね。


大野:
すばらしいですね。使いこなしているからこその成果ですね。

弊社からも2つの事例をご紹介します。1つ目は、ピップ株式会社様の事例です。

弊社の場合は、汎用的なARのため、課題をいただいてブランディングを進めています。今回は「子ども用歯ブラシ」を新しく展開するため、AR戦略で競合との差別化を図りたいというオーダー。そのアンサーとして、弊社のソリューションを提供させていただきました。
もともと歯ブラシは、ずっと同じものが購入されやすく、その割合は約89%と非常に高い数値なんです。そうなると、逆に市場に参入するときは勝ちにくい。なので、そこをどう展開するかが大きな課題でした。

そこで、ARを使って明確なUSP(強み)を訴求することで、購買のきっかけを作り、その後の再購買意向を他社ブランドより約10%向上させることに成功しました。やっぱりARでエンゲージメントが向上すると、再購買意向が上がりやすくなりますね。

あとは、はみがきって最後まで正しく行うことが重要なんですけど、途中で飽きてしまうお子さんがとても多かったんです。そんな中、ARで正しいみがき方を体験してもらうことで、約94%のお子さんが正しいはみがきに成功しました。正しいはみがきは、4分くらいやらないといけないんですけど、子どもに対してこの数字が出せたのは、まさに商品の強みといえます。

磯崎:
子どもの行動を変える、というハードルの高いコンテンツで成果が出たのはすばらしいです。ARをしっかり使いこなせば、行動を変えて、さらに商品を「いいな」と思ってもらえるんですね。

大野:
ありがとうございます。まさにツールを使い倒したからこその成果ですよね。

もう1つの事例は、「うまい棒」でおなじみのやおきん様です。毎年11月11日を「うまい棒の日」として、Twitterのトレンドを取りにいこうと話題性の創出を目指されています。その取り組みとして、AR企画のお手伝いをさせていただきました。


「うまい棒の日」に向けて15種類の味の人気投票やARフォトフレームの配布などを実施。テレビ取材を受けたり、AR経由でUGC(SNSの純投稿)が1,700件も発生したり、非常に高いパフォーマンスを発揮しましたARを使うことでエンゲージメントが高まり、SNS投稿などでアウトプットされた成功事例のひとつだと思っています。

磯崎:
こういったユニークでバズりやすいコンテンツができれば、2次、3次的な効果がありますよね。

大野:
瞬間的にインセンティブであげるよりも、継続的な「いいな」という気持ちを作っていく方が圧倒的に効果が高まるので、そこをARでどう作っていくかですね。


成果を出しているブランドの共通点



磯崎:

大野さんのおっしゃったように、結果を出しているみなさんの共通点は、「あっ、これいいな」と思う瞬間がどれだけ創出できるかを考えながらコンテンツを作っていることだと思います。
具体的には、「ブランディングのこだわりではなく、ユーザー体験を先行する」という消費者の目線に立って、使い勝手などの利便性を考える。「おもしろかった」で終わりにするのではなく、お客様にいい体験をしてもらい、気持ちよく買い物していただくことを大切にされています。

あとは、テクノロジーの理解ですね。これはエンジニアのように理解することではありません。ツールが、どのようにブランディングや消費者をヘルプするのか、何ができるのかを認識することです。
個々のニーズや購買行動を分析して、マーケティング活動する「パーソナライゼーション」の応用など、全体的な使い方を行ったうえで、はじめて差別化として「こだわり」の要素を表現できます。そして、コンテンツを通じていい体験をしてもらうために、プロモーションを多角的に行えば結果に結びつくと思います。

これからは、単純に物を作って宣伝するだけでなく、「これいいな」と思ってもらえるコンテンツを作る・提供するコンテンツプロバイダーのような役割が必要です。
ただ、作り手側になると見えなくなることが多いので、そのあたりをどうすればよいか、大野さんにお話しいただければと思います。

3. オンライン×オフラインの購買体験をより良くする考え

最新技術は魔法の杖?

大野:
みなさんすごくいい商品を作られているので、あとは届けるタイミングですよね。そこを間違って届かないケースが多いので、OMOの購買体験をよりよくするためには、どう伝えればいいかを考えたいと思います。
「バズるよね?」「なんとかなるよね?」とみなさんよく言われるんですけど、「最新技術の“魔法の杖”感」をイメージされている方がとても多いです。「最先端のものは若い人たちが好き」という先入観があるので、そういう期待があるのはよくわかります。

磯崎:
メタバースもそうですよね。

大野:
NFTもありますね。でも、フタを開けてみたらイマイチなことが多いんです。期待値を超えないので、「特定の技術を使ってみたけど成果が出ないので、ほかのツールを検討しています」というご相談をたくさん受けます。

大切なのは「使いこなすこと」


成果を出すためのプロセスを考えていくと、デジタルツールを「使いこなすこと」がとても大事だと思います。
大切なのはただARを使うのではなく、それを使って課題や目的を解決すること。利用から活用に目を向けることです。
特性を把握したうえで、課題や目的を明確にして、それを解決するためにどういうプロモーション設計をすればいいのかを考える。それが「使いこなす」の裏側に隠されたメッセージだと思います。

まとめると、「正しく企画の設計をするか」「経験値がたまった状態で、企画・設計をしなくても回答が出るような体系的な計画を作るか」の二択です。後者は、とてもハードルが高いです。ナレッジを蓄積してくださいといっても、導入したばかりのツールではすぐにはできません。

磯崎:
正しい知見を蓄積できている方と、そうでない方では、今後差が出てしまうのでしょうか?

大野:
そうですね。理想は、自社でマーケティングを回して知見を蓄積することだと思いますが、それはなかなか難しい。実際は、代理店や外部にお願いして実現していく形になると思います。ただ、経験値をどうためるかを考えると、やはり企画設計を正しくすることが大切です。
そこで、いつもたとえるのが「お医者さんと処方箋の話」です。お医者さんが患者さんを診察したとき、フィーリングで診断して「これ流行っている薬なので、とりあえず使いましょう」って言われたら不安ですよね。喉の炎症を抑える薬がほしいのに、流行りの薬が効くからといって処方されることはあり得ないと思うんです。

けれど、これに近いことがプロモーションで起こっています。「流行っているから使ってみたら何とかなるんじゃない?」という考えは危険で、すごく似ていると思います。

磯崎:
「流行っているから使わなきゃいけない」と、プレッシャーを感じている企業さんもいらっしゃいますよね。

大野:
メディア戦略として、話題性を高めるにはいいですが、それを課題の解決に使うと成果につながらない。必要なのは、「何を・誰に・何のために」という3つをシンプルに考えていくこと。これが抜け落ちることがとても多いです。
ただ、最近ではマーケティングの考え方が複雑になってきているので、仕方がないんですよね。「マーケティングファネル」として、ユーザーの購買までではなく、その先の支持・拡散まで考えるといろいろな手法があるんです。
なので、我々は対策を取らなければいけない領域がどこなのかを理解したうえで、正しいプロセスを進める必要があります。たとえば、認知を取りたい場合はSNS広告を打ったり、コンテンツマーケティングをしたりしますが、この施策だけ実行すればすべての数字が伸びるかというとそうじゃない。

マーケティングは最終的には総力戦だと思っているんですけど、それって局地戦の積み重ねで、「どこで戦って、最終的に総力としてどう勝つか」というすべてを描かないとうまくまわらない。 そこの難易度が高いと思います。すべてを網羅してくれそうな最新技術に頼ってしまう気持ちはよくわかります。
けれど、どこを強化して、どこで最終的に勝つのかを定義していくことが大事です。「何をしなければいけない」という目的を定義すること。もしくはやりたいことから考えて、ゴール達成のための戦略と、やりたいことが合致している施策であればいいと思います。目的と戦略を明確にしたうえで、測定するポイントを決めていくと複雑化したものがまとまっていきます。

「成果を出すために何をしたらいいのか」という問いに対しての答えは以下の2つです。

・思考を整理する
・目的を定義する

また、デジタル技術がどこに効くのか理解しないと、使うべきかを判断しにくい。そこで次は、ARの技術特性についてお話しします。4つのファクターにわけて考えていきましょう。

ARの技術特性


大野:
1つ目の「何ができるの?」という問いに対しては、「瞬間的な体験性」が挙げられます。
本来であれば、実物がないとメイクできないのに、AR技術を使うことでバーチャルメイクが可能になります。
あとは、空間と時間をショートカットしてくれることです。自分の体験ですけど、「yogibo」を買ったときに、あまりにも色がたくさんありすぎて、すごく悩んだことがあるんです。そのときに「実物を置いて試したい」と思ったんですが、できないのでInstagramで置いている人たちの写真を見て決めました。けれど、ARで試し置きができたら、その時間もすべてショートカットできますよね。

テレビ局がよく行うような、ARでアーティストを出現させて一緒に歌を歌うといった企画では、出した瞬間に「すごい」というエンゲージメントがグッと上がる体験価値を提供できます。先ほどお話しした「はみがき先生」は、顔を映しながら正しくみがくので、直感性を体現可能です。

磯崎:
メイクのカウンセリングは、従来お店に行って特定の時間しかできないものでしたが、ARを活用すればどこでも、何万人でも24時間同時に体験できます。この利便性もARならではですね。

大野:
2つ目の「何が起きやすいの?」は、AR体験によって「いいな」という気づきが生まれることです。
「気づき」は意識や態度、行動が変わる変容のきっかけになります。デジタルとリアルを融合して、顧客とのコミュニケーションが向上した結果「これ好きだな」「いいな」というファンの種を作ります。

磯崎:
成功しているブランドは、端的にECで買わせようではなくて、ユーザーの「欲しいものリスト」の中で、上位にいけるように考えながらコンテンツ作成されていますよね。その結果、「商品についての話を聞いてみよう」というところまでつなげられていると思います。

大野:
そのとおりですね。テンションが上がっているタイミングから購入まで、熱を冷まさずに保ち続けることがすごく大事。そのために、他社さんに負けないようなきっかけをUXで作っています。
ARの本質は「その体験性でUXを高めてエンゲージメントを上げること」ユーザーの「これいいな」をどれだけ生んでいくか。それを起こしやすいのがARの特性だと思います。

ちなみに、ポプラ社のデータでは、ARを使った場合「ブランド想起率が70%高くなる」という結果が出ています。オンラインで体験した後、時間が経ってしまうと、どのブランドの商品かわからなくなってしまうことがありますよね。他社の類似した商品に取られてしまうのは本当にもったいない。なので、ブランドを想起させるインパクトを残すことが大切です。
そこに活用するのが、ARの上手な使い方だと思います。

まとめ:3つの観点をおさらい

大野:
では最後に、今日のまとめをさせていただきます。

1つ目の議題、「コロナによって、購買行動はどう変わった?」は、まだまだオフラインは強いですが、ユーザのインサイトに変化があったのも事実
消費者は、コロナ禍前より商品選びに慎重になっているので、オンライン利用率は上がっているはずです。
ただ、購入率はまだまだオンラインからオフラインに落ちてくるので、このタイムラグをどう埋めるかが、ひとつのポイントになってくると思います。

2つ目の「 AR×テクノロジーでの販促強化はどこまで進んでいるのか?」に関しては、できている企業、できていない企業の差が激しい状況ですできている企業は、圧倒的な成果を出していますよね。

磯崎:
後発の企業さんも、いま知見を蓄積している過程にあると思います。我々も微力ですけど、そういったところのヘルプをさせていただいているので、近い将来にはみなさんがフル活用していただけるような技術になる気がしています。

大野:
3つ目の「オンライン×オフラインの購買体験をより良くする考え方」は、解決したい課題、もしくは達成したい目的は何かを定義すること
そこにチョイスした技術がマッチしているかどうかを見極めることだと思います。
「あっ、いいな」という体験を生むことができれば、ユーザーの「またふれたい」や、その後のブランド想起につながります。UXの設計を立てていくことが、オンライン×オフラインにおいて非常に重要な要素です。

磯崎:
今日はお話しさせていただいて、お互いの会社がこんなにも親和性が高いんだと改めて気づきました。これからもいろいろな面で、お付き合いいただければと思います。

大野:
こちらこそ、よろしくお願いします!お互いの強みをいかして、業界全体を伸ばしていくことが、本日ご参加いただいたみなさんや使っていただく方のプラスになると思っていますので、連携してよりよいものを作っていきましょう。

今回はこれで終了になります。みなさまお付き合いいただき、ありがとうございました!

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