【事例5選】ARとは?VR/MRとの違いや作り方、活用方法を簡単に解説!
AR(拡張現実)とは、現実世界にデジタル情報を重ね合わせて視覚的に現実を拡張する技術です。本コラムでは、ARとは何か、VRやMRとの違いやAR種類と作成方法、実際の活用事例までを解説します。
ARはどのような目的に使えるのか、事例をもとに活用の可能性を理解してビジネスに役立つヒントを得ましょう。
ARって何ができるの?についてはこちら:ARでできること|LESSAR
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ARとは何か?
1.1 AR(拡張現実)とは?
ARとは「Augmented Reality」の略で、一般的に「拡張現実」と訳されます。実在する空間や風景にバーチャルの映像などの視覚情報を重ねて表示させ、現実の世界を視覚的に拡張する技術です。
たとえばスマートフォンを室内にかざすとソファーなどの家具が現れたり、専用のアプリでキャンペーンのポスターにスマートフォンをかざすとキャラクターが現れて画面上で動き出します。
ARの技術を使えば、映像や音声などさまざまなコンテンツをあたかも現実の世界が拡張したかのような感覚で楽しむことができます。
ARの特徴はその「体験性/UX」にあります。驚きや興奮、楽しさ、愛情、恐怖、などの感情を起こすような体験が演出でき、顧客エンゲージメント向上によるブランド認知度・ブランド選定率・購入意欲などの向上が期待できるため、近年企業の販促・プロモーション施策にARを取り入れ始める企業が増えています。
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桜AR(3Dコンテンツ)
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パラソルAR(3Dモーション付き)
- 都市伝説AR(音声付き動画)
1.2 ARの仕組みと原理
いわゆるARの技術は、現実情報を認識する技術を指します。現実世界の風景からの情報をもとに、コンピュータで作成したデジタルコンテンツ(3D画像や動画など)の情報を付加・合成して表示させる技術です。
ARの仕組みと原理について、【Input】【AR Server】【Output】の3段階に分けてご説明します。
1.【Input】デバイスで周囲の画像や位置情報、平面など特定のものを認識する
動画や3D画像などのデジタルコンテンツを現実世界に重ねて表示させるために、まずはデバイスに搭載されているカメラやセンサーで「周囲の環境」や「現在位置」を正確に把握します。
現実世界における周囲のどのような情報を取得しているかにより、それに合ったARの表現方法は異なります。現在では次々と新たな表現手法が生まれています。
2.【AR Server】現実世界の情報とデジタルコンテンツを紐づける
現実世界の画像や位置、空間など、どのような情報を認識するとどのようなデジタルコンテンツを表示するかを紐づけて設定します。
3.【Output】ARコンテンツをデバイスに表示
認識した周囲の情報をもとに、あらかじめ設定したARコンテンツをデバイス上に表示させます。
1.3 ARとVR・MRの違い
AR(拡張現実)と近しい技術用語に「VR(仮想現実)」と「MR(複合現実)」があり、それぞれ次のように定義されます。
- VRとは、自分自身がバーチャルの世界に入り込んだかのような体験ができる技術
- MRとは、現実の世界に表示されたデジタル情報に触れたり操作したりできる技術
VR・MRはともにARとあわせて活用されることも多い技術ですが、混同しないよう特徴をおさえておきましょう。
VR(仮想現実)とは
引用:Meta Quest「supernatural」
VR(仮想現実)とはVirtual Realityの略で、VRゴーグルやVRヘッドセットなどの専用デバイスを装着することにより、自分自身がバーチャルの世界に入り込んだかのような体験ができる技術です。
VRゴーグルやVRヘッドセットはARグラスとは異なり、顔全体を覆うつくりになっています。装着すると外界が遮断され、バーチャルの世界はユーザーの体や目の動きに合わせて変化します。より現実感のある体験と高い没入感を得られることがVRの特徴です。
上の画像のように、ヘッドセットを付けた人は、まるで実際に岩を砕いたかのような体験ができます。
VRはARとともにエンターテインメント業界での利用が主流でしたが、近年では不動産の内覧や手術のシミュレーション、災害の疑似体験などにも利用され、医療や教育などさまざまな業界で活用されています。
VRのデバイスはおもに「スマホ型」「PC・ゲーム型」「スタンドアローン(一体)型」の3タイプです。
「スマホ型」はVRゴーグルにスマートフォンを接続するだけで手軽に使えますが、没入感やリアリティは低くなります。「PC・ゲーム型」もVRデバイスをゲーム機やPCに接続して使いますが、スマートフォンに比べて画質が良い点で高い没入感が叶います。
「スタンドアローン(一体)型」はVRデバイス単体で利用でき、ケーブルなどは不要です。体験する場所を自由に選べる点と高画質で高い没入感が得られる点で今後はVRの主流になると言われています。2023年6月にはMeta社がVRヘッドセット「Meta Quest3」を発表し、普及はさらに拡大すると予測されます。
MR(複合現実)とは
引用:Apple「Vision Pro」
MR(複合現実)はMixed Realityの略で、AR(拡張現実)をさらに発展させた技術です。専用のMRデバイスを装着するとユーザーの位置や動きに合わせてデジタル情報が表示され、ユーザーはそのデジタル情報に直接触れて操作できます。複数人で同時に体験することも可能です。
MRはARとは異なり、ユーザーによる情報の書き換えが可能です。また、VRやARとは異なり、ハンズフリーで操作できる点が特徴です。
MRはARやVRに比べると発展途上にありますが、建設業界などで活用されています。2023年6月にはAppleがPCモニターとしても利用可能なAR/MRデバイス「Vision Pro」を発表しました。今後5Gが普及すればMRのサービス活用例が増えることが予想されます。
ARとVR・MRはコストや使用場面で使い分けを
ARとVR、MRは顧客にどのような体験を提供したいかによって使い分けられています。目的や用途、コストや使用場面などにより、どの手法が最適かを検討しましょう。
またAR、VR、MRなどの現実世界と仮想世界を融合させて新たな体験を提供する画像処理技術技術は、最近では「XR(クロスリアリティ)」とも総称されています。
※弊社にて独自にまとめたもの
ARの種類と作り方
ARの種類は一般的に「マーカー型(画像認識型)」「GPS型(位置認識型)」「平面認識型」「物体認識型」の4タイプに分けられます。
またアプリが必要なタイプと、アプリレスのWebARがあります。
作り方については、いちから開発をするケースと作成ツールを利用するケースに分かれます。
マーカー型/マーカーレス型
ここではARの種類を「ARを出現させるためのトリガー」が何であるかによって分類し、「マーカーあり」「マーカーなし」「GPS」に分けてご紹介します。
マーカー型AR
ARを出現させるためのトリガー:写真・画像・建物
マーカー型(画像認識型、ビジョンベース)は特定の写真やイラスト、文字をマーカーとして登録し、画像認識します。特徴点が一致するとARコンテンツ(動画や3D、マップなど)が自動的に出現する(表示される)仕組みです。画像をトリガーとするこのタイプは照度や環境などに左右されやすいのが特徴です。
マーカー型には決められたルール内で作成されたものだけをマーカーとして登録できる「指定マーカー」と、写真やイラストなど画像として認識できるものであれば自由に登録できる「フリーマーカー」の2種類があり、さまざまな企業のプロモーションやマーケティングに活用されています。
マーカー型ARの事例として、例えば展示会のパンフレットにARを組み込む施策があげられます。インパクトがあり、製品のイメージがわきやすかったり、引き付け目的での活用に有効です。
展示会パンフレットをかざすと、3Dの展示会用Tシャツ制作工場が出現するAR
その他、名刺にARを組み込んだり、観光地での活用、出版物やノベルティなどにかざすことでその物体が動き出すような演出が可能です。
参考:ARマーカーとは?
参考:名刺でのAR活用方法
マーカーなし(マーカーレス)型AR
マーカーなしタイプのARは「マーカーレス」と呼ばれ、特定のマーカーを必要とせず、スマートフォンなどのカメラで撮影した空間を解析して物体の形や地形を認識し、AR表示する仕組みです。
ARマーカーの設置が難しい場所でもAR表示が可能なため、自分の部屋などの空間や人体の上などにもARを表示できます。
「マーカーなし(マーカーレス)」タイプの活用例にはECアパレルのバーチャル試着(ARで表示された商品を試着する)や家具の”試し置き”などが挙げられます。
また、AR作成ツールの「空間認識機能」を観光プロモーションに活用した事例もあります。「COCOAR」アプリをインストールし、指定の場所で起動して空間スキャンを行うとお城や海を背景にARの巨大なゴジラが出現します。
ARマーカー無しで気軽に楽しめることがユーザーの体験導線を整え、新たな客層の興味をひくことに成功しています。(詳細は【事例5選】でご紹介しています)
関連記事:
ゴジラ×ARは迫力満点!熱海市の観光×デジタル施策にCOCOARを活用。意外なデータも発見できました/株式会社LittleMonsters
GPS型AR
ARを出現させるためのトリガー:位置情報
GPS型(位置認識型、ロケーションベース)はスマートフォンなどの端末の現在位置をGPSで取得し、付近に設定されたARコンテンツを表示する仕組みです。
「この場所にこのARコンテンツを出現させる」とあらかじめGPS情報と連動させて設定しておき、設定された場所に向かってスマートフォンなどの端末をかざすとARコンテンツが出現します。GPS型は位置情報と連動したゲームアプリのほか、道案内や観光地などのマップ系サービスによく利用されています。
関連記事:ARの種類
アプリ型/アプリレス型(WebAR)
アプリ型AR
ARを出現させるためのトリガー:ARアプリ
ARアプリはAppleやGoogleのストアからダウンロードし、端末にインストールして使います。
ARアプリ開発のプラットフォームはおもにiOS/Android向けで、ネイティブアプリとして開発されるため、カメラやGPSといったデバイスの機能をフルに活用できます。高度なAR体験を幅広く提供したい場合には好適でしょう。
デメリットとしては、エンジニアの人件費を中心に開発コストがかかることや、iOS・Androidそれぞれの開発環境を整えなければならないケースがあることです。また、アプリとしてダウンロードできるようにするにはiOS・Androidの基準に合うかたちにする必要があり、アプリとして公開するにはストアの審査を通る必要があります。
近年では、アプリのいらないWebARでもリッチコンテンツを体験できる環境が整ってきており、「アプリである必要があるか」という点は、ARプロモーションを行う上でよく議論となっています。
ただ、アプリであるメリットもあるため、目的に応じて使い分けることをおススメします。
アプリレス型AR(Web AR・ブラウザAR)
ARを出現させるためのトリガー:特定のURLやリンク
Web AR(ウェブAR)とは、専用のアプリを必要とせず、Webサイト上でARを体験できる技術です。「アプリあり」タイプのARの場合は実行のためにアプリのインストールが必要になりますが、Web ARはスマートフォンやタブレットのブラウザで実行するためユーザーが気軽にARを楽しめる点がメリットです。
他のメリットとして、開発時の工数とコストを抑えられること、アプリ型で必要な審査等の手続きが不要なぶん、迅速にリリースできることが挙げられます。
「アプリなし」型であるWeb ARは手軽さとメリットの多さから今ではEC業界や飲食業界など国内外のさまざまな企業の集客・販促施策に利用され、BtoB企業の展示会施策など活用の幅をさらに広げています。
関連記事:
ウェブAR(WebAR)とは?ARアプリとの違いやメリット、事例、作成方法などを紹介
開発ツール/作成ツール
ARの開発や作成におすすめのツールをご紹介します。それぞれの特長のほか、開発に必要な環境や注意点などもあわせて参考になさってください。
開発ツール①:ARcore とARkit
・Google「ARCore」
「ARCore」は、Googleが提供するARフレームワークで、JavaやUnityなど人気の言語や開発環境で利用できるため、専門知識を持たずともARの開発ができます。
空間認識による3Dの表現が特長で、カメラ機能と連携して物体の表面や3Dの立体的な像を検出します。これにより、作成したオブジェクトを用いて多種多様な動きを表現できます。
幅広い用途に使えるツールとしては参入のハードルは低く、多くの人に利用されています。
参考:【公式】「ARCore」
・Apple「ARKit」
「ARKit」は、Appleが提供するApple製品専用のAR開発プラットフォームで、iPhoneやiPadで利用できるAR機能を作成できます。
iOSを対象とし、iOS向けの言語であるSwiftで開発できます。さらにSwift向けの開発環境であるXcodeも利用でき、AR開発のために特別な環境を用意する必要がありません。
「ARKit」はDepth APIによりスマートフォンのカメラで映し出した空間の奥行きを認識するため、ARが現実の世界に溶け込むことが特長です。一見、複雑で難易度が高そうなARの開発を、より手軽で身近なものにしてくれるツールのひとつです。
参考:【公式】「ARKit」
開発ツール②:8th wall
「8th Wall」は、米国の8th Wall社が開発したWeb AR開発プラットフォームです。さきにご紹介した「ARCore」はAndroid向け、「ARKit」はiOS向けのAR開発ツールであるのに対し、three.js、A-Frameなどを開発環境とする8th WallはAndroidとiOSの両方に対応しています。
また、ネイティブアプリであるARKit、ARCoreに対し、Web ARを開発する8th Wallはブラウザ上で動作するため、Android、iOSのアプリの開発が不要です。
開発者はiOSとAndroidそれぞれのARコンテンツを用意する必要がなく、ユーザーのほうも専用のアプリをインストールする必要がありません。
トライアル期間が設けられているので、ARコンテンツにネイティブアプリほど本格的な動きを求めない場合や入門的にAR開発に取り組みたい場合に向いているツールだと言えます。
参考:【公式】8th wall
作成ツール①:COCOAR(ココアル)
ARプロモーションツール「COCOAR(ココアル)」はARを活用したプロモーションを行うためのアプリ型ツールで、クラウドサーカス株式会社が提供しています。
GPS機能やスタンプラリー機能、ランダム表示機能、VPS機能など、さまざまな企画やプロモーションに役立つ機能が充実しています。
ARを活用した企画やイベントの実施後には、体験ログやユーザーの属性といったログ情報から効果測定ができます。単発に終わらず継続的にプロモーションの質を高めることができる点でマーケティング効果も期待できます。
無料で使い続けることも可能ですが、必要な機能だけを有料で追加することもでき、柔軟に活用できます。サポート体制もあり、初めてのかたにもおすすめのツールです。
作成ツール②:LESSAR(レッサー)
Web AR・ブラウザAR「LESSAR(レッサー)」は、わずか3ステップで誰でも簡単にWeb ARを作成できるサービスです。
専用のアプリをダウンロードする必要がなく、マーカーやリンクを読み取るだけで手軽にARを楽しめるWeb ARは、ユーザーにとっての体験ハードルの低さから現在では多種多様な企業で採り入れられています。
ARの体験そのものよりも、SNSと連動したキャンペーンへの集客や販促におけるファンのエンゲージメント向上を目的とし、食品メーカーやアパレル系企業での活用例が多いようです。
また、スタンプラリー機能やGPS機能、身体認識機能などを備え、さまざまなプロモーション企画やイベントに役立ちます。
さきにご紹介した「COCOAR(ココアル)」と同様に、施策後に体験ログを確認できるので、ユーザーの反応を分析した結果をもとにコンテンツの改善を行うことができます。自社のプロモーションの課題解決につながるツールです。
ARの効果とは?【研究結果】
英国のARスタートアップであるPoplar Studio社が発表したARマーケティングガイドによると、
AR体験の滞在時間は75秒で動画(動きのある映像情報でAR体験を伴わないもの)の4倍にあたると言います。
また、Zappar社の研究結果によると、ARはAR以外の体験よりもコンテンツを視聴される時間が長く、1.9倍も視覚的注目を集め、1.7倍も印象(記憶)に残りやすいことが明らかになっています。
AR体験はブランドや商品を消費者にとってより記憶に残るものにし、購買行動にも直接影響を与えるとしています。
参考:
How to Revolutionise your Marketing Strategy with AUGMENTED REALITY(A guide by Poplar)
How augmented reality affects the brain
【事例5選】ARの活用効果
ARは静止画に比べて印象に残りやすいと言われる動画よりもさらに印象に残りやすく、購買行動の変化にも寄与すると言われます。
ここではマーケティングや地域振興などの目的ごとに、実際のAR活用事例をご紹介します。
3.1 マーケティング・広告
【事例1】「トムとジェリー 桜舞うスペシャルコーヒータイム」/タリーズコーヒージャパン株式会社
・企画概要
米国シアトル発祥のスペシャルティコーヒーショップ「タリーズコーヒー」を日本で展開するタリーズコーヒージャパン株式会社は、ワーナー・ブラザース コンシューマープロダクツとのパートナーシップのもと、2022年2月10日~2022年3月17日の間に全国のタリーズ店舗で開催されたトムとジェリーとのコラボキャンペーン「トムとジェリー 桜舞うスペシャルコーヒータイム」のなかでAR企画を実施しました。
「トムとジェリー 桜舞うスペシャルコーヒータイム」では、タリーズ店舗で対象商品を購入した際に印字されるレシートのQRコードをスマートフォンで読み込むと、桜の下でかけっこしたりお花見したりするトムとジェリーのフォトフレームがARでランダムに出現します。
ARを採用したのは、お客様がコロナ禍でも安心して店舗での体験をよりリッチに楽しめるように、また、AR体験を写真撮影で楽しんでもらうことでSNSへの投稿を促し、ブランドの認知を拡大したいという狙いからだと言います。より多くのお客様に手軽に楽しんでもらえるよう、アプリダウンロードの工数がかからないWeb ARが使われています。
・成果
SNSでは実際にARフォトスタンドで撮影した写真が多数投稿されました。数種類のARフォトスタンドをランダムで楽しめる仕組みのところ、1人当たり平均2、3回、ARを体験してもらえたことがわかりました。
キャンペーン期間中にAR体験は5万人以上、ARのアクセス数は13万PVにのぼりました。担当者は「お客様とのつながりを可視化できたのはデジタル施策ならでは」と振り返っています。
関連記事:
タリーズコーヒーのトムとジェリーコラボキャンペーンにてARを使った店舗体験企画を実施。5万人以上がARを体験し、ARのアクセス数は13万PV!
【事例2】TBSドラマ「夕暮れに手をつなぐ」の放送前プロモーション/株式会社I&SBBDO
・企画概要
世界レベルの戦略的な広告・マーケティングサービスを提供し、コンテンツ企画・制作を手がける株式会社I&S BBDOは、TBSドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」の放送前のプロモーションにあたり、AR動画を活用した企画「夕暮れ限定AR」を実施しました。
「夕暮れ限定AR」は番組公式Twitterアカウントで公開され、夕暮れの空にスマートフォンをかざすと、主演の広瀬すずさんと永瀬廉さんからボイスメッセージ入りのAR動画が届く仕組みです。ドラマの放送前から話題となるよう、第一話の放送前の1週間(2023年1月11日~1月17日)の16時から18時限定で体験できるような企画設計になっていました。
・成果
1週間限定の企画にもかかわらず、ARの体験回数は9.6万回以上、体験人数は約3万人以上にのぼりました。また、1人当たりのリピート体験回数は約3回でした。
ドラマの世界観とマッチした企画内容やハッシュタグキャンペーン、毎日違うメッセージを配信することなどで狙い通り複数回の体験を促せました。ユニークユーザーにおけるAR撮影率は約30%で、数多くのユーザーに向けて撮影とSNS投稿の動機付けができていました。
関連記事:
9.6万再生を記録!ドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」の世界観とマッチした限定AR企画で、放送前のプロモーションに成功!
3.2 イベント
【事例3】「もののけB犬とあばれる青鬼」スタンプラリー/大阪大学微生物病研究所
・企画概要
「微生物病」をキーワードに病原体や感染症、免疫系、がんを中心とした研究を行う大阪大学微生物病研究所は、2022年8月1日(月)~8月31日(水)まで、ららぽーとEXPOCITY(大阪府吹田市)にてARスタンプラリー企画「もののけB犬とあばれる青鬼スタンプラリー」を実施しました。
ウイルスや細菌などの病原体を「鬼」、抗体を「お札」に見立てて、正しい組み合わせのお札を集めて(スタンプを集めて)鬼を鎮めるというストーリーのARスタンプラリーで、ノーベル賞を受賞した研究「V(D)J遺伝子再構成」をモチーフにしています。
ARで抗体のなりたちがわかりやすく表現され、AR×チャットボットでキャラクターと会話しながら科学を学べる企画になっていました。
・成果
ARコンサルタントによるログの解析結果から、親子連れが多く、子どもから大人まで幅広い世代が参加してくれたことがわかりました。また、他のイベントと比べて10代から20代の男性の参加率が高いという特徴があり、子育て世代へのアプローチはもちろんのこと、若い世代の興味をひくことに成功したと言えます。
関連記事:
AR×チャットボットで科学研究の面白さを表現!親子連れの心を掴んだ「もののけB犬とあばれる青鬼」スタンプラリー企画
3.3 観光・地域振興
【事例4】観光×デジタル施策「熱海対ゴジラⅣ」/株式会社LittleMonsters
・企画概要
株式会社LittleMonstersは地域活性化としての地方への送客と地域のさらなる活性化を目的とした取組みの一環として、東宝株式会社の許諾のもと、2019年より熱海市にて「ゴジラ」を活用した中長期的なAR×観光プロモーション「熱海対ゴジラ」を企画・実施しました。
同社と熱海市とは2019年からゴジラのIPを活用したアナログのスタンプラリー施策を実施してきましたが、新型コロナ流行の影響で集客は大打撃を受け、コロナ前後で客層が変わってしまいました。そこで、新たな客層にアプローチするためにARを導入しました。
「COCOAR」アプリ をインストールし、熱海城の城横にあるヒルトップテラス付近で起動して空間スキャンを行うと、ほぼ等身大(118.5メートル)で迫力満点のゴジラが出現し、海やお城をバックにARゴジラありの写真撮影などを楽しめます。
・成果
実施から2週間ほどでAR体験は1300件以上にのぼりました。また、ゴジラのファン層は男性が多いのですが、今回のARの利用では女性が全体の7割を占めていました。子どもがAR体験をする際に保護者のスマートフォンを使うケースも多かったとみられます。
本企画をもともと知らなかった人が現地でAR体験をしているケースもあり、ゴジラという巨大でインパクトのあるキャラクターとARの組み合わせが功を奏したようです。観光案内所で情報収集する際に本企画をみつけて参加したという若い世代もみられました。
関連記事:
ゴジラ×ARは迫力満点!熱海市の観光×デジタル施策にCOCOARを活用。意外なデータも発見できました/株式会社LittleMonsters
3.4 製品シミュレーション/試し置き
【事例5】ARによる家具”試し置き”サービス「JOURNAL STANDARD FURNITURE AR」/株式会社ベイクルーズ
・施策概要
輸入およびオリジナルの衣料品・雑貨を販売するセレクトショップ・株式会社ベイクルーズは、同社が展開する家具ブランド「JOURNAL STANDARD FURNITURE」で2023年、ARで家具を”試し置き”できるサービスを開始しました。
アプリ不要のWeb ARで自分の部屋の中にソファやラグの3Dモデルが出現し、360°回転させてあらゆる角度からチェックできます。サイズ精度が高いのでメジャーを必要とせず、3Dモデルを実際に置きたい場所に移動させ、購入前に他の家具とのバランスを見たり、スペース調整したりできます。
ARはWebサイトからいつでもアクセスできるので、実店舗に行く時間が取れない人にも便利です。3Dモデルを”試し置き”した様子を写真に撮って家族にシェアすれば購入前の相談も簡単です。
ARを使うことで「思ったより大きかった」というイメージ違いや「置きたい場所に置けなかった」という購入後のトラブルを防ぐことで顧客満足度の向上や返品率の低下が期待できます。
関連記事:
「JOURNAL STANDARD FURNITURE」の家具をARで自宅にレイアウト!気になる家具を試し置きできるサービス開始
ビジネスにARを取り入れよう
誰もがスマートフォンを所持し、コロナ禍を経て企業のマーケティング活動も大きく変容している現在、ARの技術は進化し、市場は拡大しています。
これまではゲームなどのエンターテインメント業界が中心であったのが、「業務の効率化」をキーワードに製造業や医療などさまざまな業界で採用されるようになりました。
なかでもWeb ARはアプリ不要という手軽さから幅広いユーザーの利用が期待でき、観光や飲食、ECとリアル店舗との連携、SNSキャンペーンとの連動など多種多様なイベントや企画で活用されています。
購買行動をより促進させ、新たな客層の開発にもつながるWeb ARをお試しになってみてはいかがでしょうか。
お役立ち資料のご案内
AR活用事例集(体験サンプル付き)
店舗/商品販促(タリーズ様、ゴディバ様)、地域活性化(四万十町役場様)、エンタメ(イマジニア様)、卒業式イベント(早稲田大学様)を含む、10種類以上の活用事例をご紹介。
アプリAR「COCOAR」&
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アプリARだからできることや、ウェブARの方が効果的なシーン、成功事例などもご紹介します。